
2026年2月10日にver.1.5.1.0がリリースされました。
セキュリティ強化・外部連携拡張・操作性向上・開発支援強化といった幅広い領域で機能追加が行われています。
Microsoft 365のOAuth対応やパスキー認証への対応により認証基盤が強化されたほか、LINE WORKS通知連携、多言語ラベルの一括管理、検索操作の効率化など、日常運用を支える改善も多数含まれています。
さらに開発者向けにはサーバスクリプトや拡張計算式のエラー詳細取得機能が追加され、トラブルシューティングの効率も向上しました。
セキュリティと利便性を両立した、実務に直結するアップデートです。
プリザンターを業務で活用するための導入・設計・運用をご支援しています。
- SMTPクライアントのOAuth認証機能を追加
- パスキー認証によるログイン機能を追加
- 通知・リマインダーの送信先にLINE WORKSを追加
- 多言語ラベルのインポート/エクスポート機能
- 検索ダイアログでダブルクリックによる選択肢の有効化/無効化
- プロセスを無効にする機能を追加
- スマートデザインの一覧設定画面にセルの詳細設定を追加
- サーバスクリプト/計算式(拡張)の実行時エラーを取得する機能を追加
- まとめ
SMTPクライアントのOAuth認証機能を追加
Microsoft 365 の SMTP サーバーを利用したメール送信において、従来の基本認証に代わり OAuth 2.0 認証が利用可能になりました。マイクロソフトがベーシック認証から OAuth 2.0 へ移行している流れを受けた対応であり、今後の安定運用において重要なアップデートです。
利用にあたっては、Microsoft 365 テナントの管理者権限および Entra ID(旧 Azure AD)へのアクセス権限が必要です。
Azure Portal でのアプリケーション登録、クライアントシークレットの作成、Exchange Online の API 許可(SMTP.SendAsApp)の付与、SMTP AUTH の有効化などを行います。また、送信用の共有メールボックスやサービスプリンシパルの設定も必要となります。
Pleasanter 側ではパラメータファイル Mail.json に OAuth 関連パラメータを設定し、UseOAuth を true にすることで有効化します。
OAuthClientId や OAuthClientSecret、OAuthTokenEndpoint などを正しく指定することで、安全なトークンベース認証が実現します。環境変数による設定にも対応しており、機密情報を設定ファイルに直接記載しない運用も可能です。
export Pleasanter_Mail_OAuthClientId="{{アプリケーション (クライアント) ID}}"
export Pleasanter_Mail_OAuthClientSecret="{{クライアントシークレットの値}}"
エラー発生時には、トークン取得や API 権限、SMTP AUTH 設定を確認することで原因を特定できます。クライアントシークレットの定期ローテーションや最小権限設定などのセキュリティ対策とあわせて活用することで、企業環境における安全なメール送信基盤を構築できます。
パスキー認証によるログイン機能を追加
Windows Hello やスマートフォンに対応したパスキー認証によるログイン機能が追加されました。
パスキー認証とは、従来の「ID+パスワード」ではなく、スマートフォンやPCに保存された公開鍵暗号方式の認証情報(パスキー)を使って本人確認を行います。生体認証(指紋・顔認証)やPINと組み合わせて利用されるため、フィッシングに強く、パスワード漏えいのリスクがありません。
WebAuthn/FIDO2(パスワードを使わずに安全なログインを実現する国際標準の認証技術)に準拠した仕組みにより、パスワードを入力せずに安全な認証が可能となり、フィッシング対策や情報漏えいリスクが低くなります。
利用には HTTPS 環境が必須で、対応 OS(Windows 11 以降、macOS 13 以降、iOS 16 以降、Android 9 以降など)および最新ブラウザーでの利用が前提となります。
サーバ側では Authentication.json の PasskeyParameters で Enabled を true に設定し、ServerDomain や Origins を適切に登録することで有効化します。未登録の URL からのアクセスは拒否されるため、安全性も確保されています。
ユーザーは通常ログイン後、プロファイル編集画面からパスキーを作成します。
スマートフォン保存時は QR コードを読み取って登録し、Windows 保存時は Windows Hello による本人確認で保存します。

マニュアルより抜粋
ログイン時は「パスキーでログイン」を選択するだけで認証が完了します。具体的なクライアントの設定方法については、下記マニュアルを参照下さい。
作成済みパスキーの名称変更や削除にも対応しており、運用面も考慮された設計です。
パスワード管理の負担を軽減しながら、より強固な認証基盤を実現できるアップデートです。
通知・リマインダーの送信先にLINE WORKSを追加
通知およびリマインダーの送信先として LINE WORKS を指定できるようになりました。
LINE WORKS 側で発行される Webhook URL を利用することで、Pleasanter の更新通知やプロセス通知、リマインダーをトークルームへ直接送信できます。
日常的に利用しているチャット環境へリアルタイムに情報を届けられるため、確認漏れ防止や対応スピード向上に効果的です。
設定は、まず LINE WORKS 管理画面で Incoming Webhook アプリを追加し、通知対象のトークルームへ Bot を招待します。チャンネル ID を取得し、Webhook を作成すると専用 URL が発行されます。この URL を Pleasanter 側の通知設定で指定します
Pleasanter では Notification.json の LineWorks を true に設定し、通知タブやプロセス通知で送信先として選択可能になります。
なお、リマインダー利用時は BackgroundService.json や Reminder.json の有効化設定も必要です。
なお、LINE WORKS の仕様上、登録できる Webhook URL は最大5件までという制限があります。チャットと業務システムをシームレスに連携できる、実務効果の高いアップデートです。
多言語ラベルのインポート/エクスポート機能
項目ごとに設定していた表示名や説明文などの多言語ラベルを、テーブル単位で一括管理できるインポート/エクスポート機能が追加されました。
これにより、「多言語」タブで設定していた内容を CSV ファイルとして出力・編集・再取り込みが可能になります。
複数サイトへの展開や翻訳作業の外部委託時にも効率的に対応できるようになりました。
CSV には ColumnName(カラム名)と Attributes(LabelText/Description/InputGuide)が必須項目として含まれ、ja・en・zh など必要な言語列を指定します。

マニュアルより引用
少なくとも1つの言語列が未設定の場合はエラーとなります。なお、インポートを実行すると既存の多言語設定は上書きされるため注意が必要です。
操作は、テーブルの管理 → エディタタブ → 「多言語ラベル設定」から実行します。

マニュアルより引用
グローバル展開や多言語対応を進める組織にとって、管理負荷を大きく軽減できる実用的なアップデートです。
検索ダイアログでダブルクリックによる選択肢の有効化/無効化
分類・状況・担当者などの項目で利用する検索ダイアログに、ダブルクリック操作が追加されました。

また、複数選択の場合、選択肢を移動するには「有効化」「無効化」ボタンを押す必要がありましたが、右側リストをダブルクリックすると有効化(左へ移動)、左側をダブルクリックすると無効化(右へ移動)できるようになりました。

操作回数が減ることで設定作業がよりスムーズになります。
なお、複数選択中でも移動するのはクリックした1件のみで、「すべて有効/無効」ボタンによる一括操作も引き続き利用可能です。
プロセスを無効にする機能を追加
プロセス管理の「共通設定・全般」タブに「無効」チェックボックスが追加されました。

これにより、定義済みのプロセスを削除せずに一時的に停止できます。ボタン表示を伴うプロセス機能で有効となる設定で、運用テストや一時的な業務停止時に柔軟な対応が可能です。
スマートデザインの一覧設定画面にセルの詳細設定を追加
スマートデザインの一覧画面編集機能に、セル単位での詳細設定が追加されました。従来はドラッグ&ドロップによるレイアウト変更が中心でしたが、今回のアップデートにより各セルの表示制御をより細かく設定できるようになりました。

マニュアルより引用
レイアウトエリアにはセル型ユニットが配置され、表示名や項目グループ名に加えて、セル幅や左端固定、折り返し設定などの情報が確認できます。
編集ボタンから設定画面を開くことで、セルの横幅指定、横スクロール時に常に表示させる「左端固定」、セル幅に応じたテキスト折り返しの有効化などを個別に設定できます。

マニュアルより引用
また、不要な項目はレイアウトエリア外へドラッグすることで一覧から除外でき、削除しても設定値自体は保持されます。
スマートデザインの一覧編集は ver.1.4.15.0 で導入されましたが、ver.1.5.1.0 以降では表示最適化の自由度がさらに向上しました。視認性と操作性を高め、日常業務の効率化を支える実用的な強化です。
サーバスクリプト/計算式(拡張)の実行時エラーを取得する機能を追加
サーバスクリプトや拡張計算式を利用した高度なカスタマイズにおいて、実行時エラーの詳細を取得できる機能が追加されました。
これにより、エラー発生時の原因特定が容易になり、開発・保守の効率が大きく向上します。本機能はサーバスクリプトと計算式(拡張)の双方で利用可能です。
サーバスクリプトでは、一覧画面に従来からある「全て無効化」機能に加え、「エラーの詳細を取得する」設定が追加されました。

これにより、エラー発生時の出力情報をより詳細に確認できるようになっています。具体的なログ出力方法については、FAQ「サーバスクリプトのエラーログを出力したい」ページで案内されています。
拡張計算式では、計算方法を「拡張」に設定し、「エラーを表示する」と「エラーの詳細を取得する」を有効化することで、エラーメッセージをシステムログだけでなくブラウザーの開発者ツールのコンソールにも表示できます。

なお、既定の計算方法では詳細は表示されない点に注意が必要です。計算式タブではログ出力設定も可能で、入力値や計算結果の確認にも活用できます。
まとめ
今回は、ver.1.5.1.0のバージョンについて記事にまとめました。
本バージョンでは、セキュリティ強化・外部連携拡張・操作性向上・開発支援強化といった幅広い領域で機能改善が行われています。Microsoft 365 の OAuth 対応やパスキー認証の実装により、将来を見据えた安全な認証基盤を構築できるようになった点は、特に重要なアップデートと言えるでしょう。
また、LINE WORKS 連携や多言語ラベルの一括管理、検索ダイアログの操作性向上など、日常業務の効率化に直結する改善も充実しています。さらに、サーバスクリプトや拡張計算式のエラー詳細取得機能の追加により、開発・保守フェーズにおけるトラブルシューティングの精度とスピードも向上しました。
安全性と利便性を高い次元で両立した、実務に直結するアップデートです。
より快適にプリザンターを活用するためにも、ver.1.5.1.0へのアップデートをぜひご検討ください。
それでは、今回はこの辺で。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。