
こんにちは。
リーデックス小川です。
2026年8月12日に、業務アプリ作成プラットフォーム「プリザンター」の最新版 ver.1.5.7.0がリリースされました。
今回のアップデートでは、大量データの一括操作を安全に制御する機能や、複数の組織を1つの環境で運用できるマルチテナント機能、起動直後のレスポンス遅延を防ぐサーバウォームアップ機能など、大規模かつ安定した運用を支える機能が数多く追加されています。
あわせて、SAML連携によるユーザ情報の取り込みや、データ保護キーの外部保存、リッチテキストエディタの改善といったセキュリティ・運用面の強化も図られました。
本記事では、年間サポートサービス契約者限定機能と、契約プランを問わず利用できる機能・改善に分けて、ver.1.5.7.0の主なアップデート内容をご紹介します。
プリザンターを業務で活用するための導入・設計・運用をご支援しています。
年間サポートサービス契約者限定機能
ここでご紹介する4つの機能は、いずれも年間サポートサービス契約者限定機能です。正式利用には対象となる年間サポートサービスの契約が必要です(旧プランは対象外です)。一部の機能はExtensionsトライアルで試用できます。
大量データを一括操作する処理の同時実行抑止機能の追加
大量データを一括操作する処理の同時実行を抑止する機能(<https://pleasanter.org/ja/manual/block-site-task-while-running>)が追加されました。同一テーブルへの一括更新やインポートなど、重い処理の同時実行を制御する機能です。
これまでは、1つのテーブルにインポートや一括更新などが同時実行されると、データベースが高負荷状態になり、処理時間が長引くだけでなくシステム全体のパフォーマンスが悪化することがありました。今回の機能により同一テーブルへの重い処理の同時実行を防げるため、大量データを扱う運用でもシステムを安定させやすくなります。複数の担当者が並行してインポート作業を行う環境では、大きなメリットがあります。
設定はGeneral.jsonの「BlockSiteTaskWhileRunning」をtrueにすることで有効になり、変更後はアプリケーションの再起動が必要です。
対象は期限付きテーブルと記録テーブルで、
- 画面操作の一括更新・削除・インポート・サマリ同期
- APIの一括作成・更新・削除・インポート・エクスポート・サマリ同期
- スクリプトの一括削除
- サーバスクリプトの一括削除・インポート・エクスポート
です。別テーブルへの同時実行は制限されません。
SAML連携によるユーザ拡張項目取り込み機能の追加
SAML連携で、ユーザの拡張項目を取り込む機能(<https://pleasanter.org/ja/manual/saml-response-mapping>)が追加されました。
SAML認証でログインした際に渡されるSAMLレスポンスの情報をもとに、プリザンターのユーザ情報を自動的に作成・更新できる機能です。
これまでは、SAML認証によるユーザ情報の自動反映は「SamlParameters.Attributes項目一覧」に記載された項目に限られていました。
今回の機能により、それ以外の任意の属性についても、拡張項目として設置した項目へマッピングできるようになり、認証基盤側が保持する独自の情報をユーザ管理に取り込みやすくなります。特に人数の多い組織や、認証基盤側で細かな属性を管理している環境で効果を発揮するでしょう。
キューイング機能へのレコードインポート機能の追加
キューイング機能(<https://pleasanter.org/ja/manual/queuing-manage-jobs>)の対象ジョブとして、新たにレコードのインポート処理が追加されました。
1.5.6.0以降でレコードのエクスポートに対応していたキューイング機能が、1.5.7.0からインポート処理にも対応します。
キューイング機能については、前回のブログをご覧ください。
マルチテナント機能の追加
マルチテナント機能(<https://pleasanter.org/ja/manual/manage-multi-tenant>)が追加されました。1つのプリザンター環境の中に、ユーザ・グループ・サイトを含む独立した運用単位である「テナント」を複数構築し、並行して運用できる機能です。
これまでのプリザンターは1つの環境に1つのテナントのみを持つシングルテナント構成が基本で、部門ごとにアクセス可能なサイトを分けたい場合は、テーブルごとに細かなアクセス制御を設定する必要がありました。
テナントの境界によって他テナントへのアクセスを自動的に分離できるため、シングルテナント構成で部門を分ける場合に比べ、テーブルごとの細かなアクセス制御を減らせます。
複数の事業部や取引先ごとに環境を分けたい企業にとって、ライセンス管理やメンテナンス業務の重複を減らせる点も大きなメリットです。
一般機能:新機能
続いて、年間サポートサービスの契約有無にかかわらず利用できる新機能をご紹介します。
サーバのウォームアップ機能の追加
サーバのウォームアップ機能(<https://pleasanter.org/ja/manual/warmup>)が追加されました。プリザンターの起動時に、テナントの読み込みやデータベース接続などの初期化処理を事前に完了させておく機能です。
ASP.NET Coreアプリケーションは起動直後、こうした初期化が完了していないため、最初にアクセスしたユーザがレスポンス遅延を経験することがありました。
ウォームアップはプリザンターの起動と同時にバックグラウンドで自動的に開始されるため、利用者による有効化操作や設定は不要です。
初期化が完了するまでは通常のリクエストをブロックするため、不完全な状態でのアクセスを防げます。また「/healthz」エンドポイントでウォームアップの状態を確認できるため、ロードバランサやコンテナ基盤と組み合わせることで、初期化が完了したインスタンスのみへトラフィックを振り分けられる点も大きなメリットです。
データ保護キーのKVS保存機能の追加
ASP.NET Coreのデータ保護キーをKVS(キー値ストア)に保存できる機能(<https://pleasanter.org/ja/manual/data-protection-key-store>)が追加されました。認証Cookieなどの暗号化・復号に使うキーの保存先として、KVSを新たに選択できるようになりました。
既定では、データ保護キーをデータベース(Sessionsテーブル)に保存します。従来はAzure(Blob Storage+Key Vault)にも保存できましたが、今回KVSが加わり、既にKVSを運用している環境でも追加のクラウド契約なしにキーを共有しやすくなりました。
バイナリデータのAzure Blobストレージ保存機能の追加
バイナリデータをAzure Blob Storageに保存できる機能が追加されました。
BinaryStorage.jsonの「Provider」パラメータに新たに「AzureBlob」を指定できるようになり、これまでの「Rds」(データベース保存)・「Local」(ローカルフォルダ保存)に加えて、クラウドストレージが選べるようになりました。
これまでは、添付ファイルや貼り付け画像をデータベースまたはアプリケーションサーバのローカルフォルダにしか保存できず、コンテナ環境やスケールアウト構成では、インスタンス間でのファイル共有やディスク容量の確保に工夫が必要でした。Azure Blob Storageへの保存に対応したことで、クラウド上のストレージにバイナリデータを集約でき、サーバのディスク容量を圧迫せずに運用しやすくなる点がメリットです。
スクリプト・スタイル・HTMLのドラフト出力機能の追加
テーブル管理画面で設定するスクリプト・スタイル・HTMLに、「ドラフト出力」(<https://pleasanter.org/ja/manual/draft>)機能が追加されました。バージョン1.5.7.0以降では、ドラフト機能を使うことで、他ユーザの利用に影響を与えることなく、開発中の内容を有効化した状態で動作確認できます。
スクリプトのドラフト出力
スクリプトのドラフト出力(<https://pleasanter.org/ja/manual/table-management-script>)では、開発中のスクリプトを通常画面へ反映せず事前に確認できます。これまでは保存した内容がすぐに通常画面へ反映されるため、動作確認中の不具合が利用者の業務に影響するおそれがありました。
「ドラフト出力」で「ドラフト時のみ出力」を選択し、任意のドラフトキーを設定して保存します。
確認時は、対象画面のURL末尾に「?Draft=ドラフトキー」を付けてアクセスします。確認後は「通常出力(常に)」などへ変更して公開します。保存しただけでは一般公開に切り替わりません。
スタイル・HTMLのドラフト出力
スタイル・HTMLのドラフト出力(<https://pleasanter.org/ja/manual/table-management-style>、<https://pleasanter.org/ja/manual/insert-html>)も同じ仕組みです。
通常画面に影響させず、レイアウトや外部ライブラリの読み込みを確認できます。
「ドラフト時のみ出力」とドラフトキーを設定し、URL末尾に「?Draft=ドラフトキー」を付けて確認します。
問題がなければ「通常出力(常に)」などへ変更して公開します。たとえば、新しい画面デザインを試す場面で役立ちます。本番利用者への影響を抑えながら確認できる点がメリットです。
まとめ
今回は、ver.1.5.7.0 の主なバージョンアップ内容についてご紹介しました。
ご自身の契約プランや利用機能を確認のうえ、この機会にバージョンアップをご検討ください。
弊社では、プリザンターの認定トレーナーとしてトレーニングを実施しています。
プリザンターの基礎から応用まで幅広いラインナップを取り揃えていますので、プリザンター初心者はもちろんのこと、効率よくスキルアップしたい方にもオススメです!
詳しくは[こちら](https://pleasanter.hatenablog.jp/training)にありますので、気になった方はぜひご覧ください。
それでは、今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました。