
株式会社リーデックスの小川(プリザンター認定トレーナー)です。
プリザンターを業務で活用するための導入・設計・運用をご支援しています。
2026年1月13日にプリザンター ver.1.5.0.0 がリリースされました。今回のアップデートは「.NET 10 への移行」を軸に、日々の運用負荷を下げる改善がまとまって入っているのが特徴です。
具体的には、マークダウン表示の基盤ライブラリ(Marked)の更新、バックグラウンドサービスで不要になった権限・リンク情報を自動削除するメンテナンス機能、そして“いまだけ止めたい”ニーズに応える「計算式/状況による制御の無効化」オプションが追加されています。
システム基盤と管理機能の両面から、長期的に安心して利用できるバージョンアップといえるでしょう。
- ターゲットフレームワークを .NET 10 に変更
- マークダウンライブラリ(Marked)の最新化
- バックグラウンドサービスに未使用の Permissions/Links レコードを削除する機能
- 計算式・状況による制御を無効にする機能の追加
- まとめ
ターゲットフレームワークを .NET 10 に変更
ver.1.5.0.0 では、プリザンターのターゲットフレームワークが .NET 10 に変更されました。これにあわせて、Windows・Linux ともに ver.1.5.0.0 以降ではインストーラを利用したインストールが可能となっています。
インストーラを利用した新規インストール手順については、以下を参照してください。
一方で、ver.1.4.23.3 以前のバージョンをインストールする場合は、従来どおり手動インストールの手順を参照する必要があります。
また、Windows・Linux のいずれの環境でも、ver.1.5.0.0 以降へバージョンアップする場合は、事前に .NET 10 をインストールしておく必要があります。アップグレード前には、実行環境に .NET 10 が正しく導入されているかを確認したうえで作業を進めることが推奨されます。
- Windows/Windows Serverにインストールしたプリザンター 1.4をプリザンター 1.5へ移行する手順
- Ubuntuにインストールしたプリザンター 1.4をプリザンター 1.5へ移行する手順
さらに、Windows 環境で SQL Server を利用している場合は注意が必要です。
.NET 10 への移行に伴い、SQL Server 接続時の TLS 証明書検証が既定で有効化されるため、これまで証明書未設定でも接続できていた環境では、アップグレード後に接続エラーが発生する可能性があります。
バージョンアップ前には、SQL Server 側の TLS 証明書設定状況を確認し、必要に応じて接続文字列の対応方針を検討しておくことが重要です。どの方法を採用するかは、組織のセキュリティポリシーとあわせて判断する必要があります。
マークダウンライブラリ(Marked)の最新化
ver.1.5.0.0 では、マークダウンのレンダリングに利用されているライブラリ(Marked)が最新化されました。
マークダウンは、記号を使って文章構造や装飾を表現できる軽量な記法で、説明文や手順書、ガイド、Wiki などを簡潔に記述できるのが特徴です。
プリザンターでは、対象項目のスタイルを「マークダウン」に設定し、入力欄の1行目に [md] を記述することでマークダウンとして解釈されます。例えば、見出しや箇条書きを使って業務手順を整理したり、ガイド文書を視認性よくまとめたりすることが可能です。[md] を記載しなければ通常テキストとして扱われるため、段階的な導入や一部項目のみの利用にも対応できます。
マークダウンの具体的な記法については、下記をご参考ください。
ライブラリ更新により表示仕様が変わる可能性もあるため、重要な手順書や Wiki を利用している場合は、アップデート後に表示確認を行うと安心です。
バックグラウンドサービスに未使用の Permissions/Links レコードを削除する機能
バックグラウンドサービスに、未使用となった Permissions および Links レコードを自動的に削除する機能が追加されました。
長期間運用している環境では、削除済みレコードに紐づく権限情報やリンク情報が残り続け、データベースの肥大化や保守作業の負担につながることがあります。
本機能は パラメータファイル「BackgroundService.json」に設定を追加することで利用できます。
パラメータファイルについては、下記を参照ください。
DeleteUnusedRecord で機能の有効/無効を切り替え、DeleteUnusedRecordTime で実行時刻を指定し、DeleteUnusedRecordChunkSize で一度に削除する件数を調整します。件数を増やすと処理は早くなりますが、サーバー負荷とのバランスを考慮する必要があります。
なお、DeleteTrashBox が false の場合は削除が実行されない点や、一度削除されたデータは復元できない点には注意が必要です。夜間など負荷の低い時間帯に自動実行することで、日常的な手作業のメンテナンスを減らし、安定した運用を実現できる機能といえるでしょう。
計算式・状況による制御を無効にする機能の追加
ver.1.5.0.0 では、計算式および状況による制御を一時的に無効化できる機能が追加されました。これらは業務ロジックを自動化するうえで重要な機能ですが、データ移行や検証、障害対応の際には、一時的に動作を止めたい場面も少なくありません。
計算式では「無効」オプションを設定することで、定義内容を削除することなく処理を停止できます。計算方法は既定・拡張から選択でき、条件付き実行にも対応しているため、複雑な計算式を利用している環境ほど、本機能のメリットを実感しやすくなります。

テーブルの管理:計算式より引用
状況による制御についても、詳細設定で「無効」を指定することで、必須・読取専用・非表示といった制御を一時的に停止できます。設定を削除したり再作成したりする必要がなく、安全に切り替えできる点は管理者にとって大きな利点です。

テーブルの管理:状況による制御より引用
まとめ
今回はプリザンター ver.1.5.0.0について記事にまとめました。
NET 10 への対応を中心に、システム基盤・表示機能・運用管理の各側面を着実に強化するリリースです。マークダウンライブラリの更新により情報共有がしやすくなり、バックグラウンドサービスの改善によって保守負荷も軽減されます。
また、計算式や状況制御を一時的に無効化できる機能は、検証やトラブル対応時の柔軟な運用を支えてくれるでしょう。
環境要件を確認したうえで、計画的にバージョンアップを進めることが重要です。
それでは、今回はこの辺で。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。