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製造業の業務改善を加速するプリザンター活用術③:プリザンターで“現場のあるある課題”をどう変えるか?

こんにちは。
リーデックス小川です。

今回は、製造業の業務改善を加速するプリザンター活用術③として、プリザンターで現場の課題をどのように変えてることができるか、についてまとめました。

第1回では、製造業の現場が抱える「情報が分断されている」「進捗が見えない」「属人的に対応している」といった課題を整理しました。

紙やExcelでの管理が限界を迎え、現場の改善が止まってしまう――そんな“あるある”を具体的に掘り下げました。

続く第2回では、「では、どうすれば情報を見える化できるのか?」という視点から、
工程や品質、設備などを共通項目で管理し、データをつなぐ考え方を紹介しました。

そして今回の第3回では、実際にプリザンターを使うことで「何が、どのように」解決できるのかを、具体的なテーブル構成と操作イメージを通して整理します。
現場の課題を解決に変える、リアルな使い方を見ていきましょう。

プリザンターで解決できること

製造業の現場では、「情報が多い」「変化が早い」「関係者が多い」の三重苦がつきものです。
プリザンターは、こうした複雑な業務の中でも“誰でも触れる仕組み”として設計されています。

以下の表は、前回までに整理した課題と、それに対応するプリザンターの主要機能をまとめたものです。

現場課題 プリザンターの機能 解決のイメージ
情報がバラバラに管理されている テーブル構造/アクセス権/履歴管理 製造指示、品質記録、設備情報などを一画面に集約。どの工程でも“同じ情報”を確認できる。
進捗や担当が分からない ステータス/担当者/予定・実績日 進捗ステータスを一覧で色分け。誰が、どの工程を、いつまでに担当しているかを一目で把握。
報告・共有が遅い 通知/コメント/承認フロー 更新や異常報告のたびに自動通知。口頭やメールに頼らず即時共有。
不具合・異常が埋もれる 選択肢+添付ファイル+フィルター検索 写真付きで記録し、発生工程や内容で簡単に抽出。再発防止の分析にも活用。
改善が続かない グラフ/集計/エクスポート データを見える化し、改善会議や報告資料の作成を効率化。継続的な改善活動につながる。

それぞれの機能の詳細は、本ブログに過去に記事を記載していますので、キーワードで検索して該当する記事をぜひ見てみてください。

現場で活用できる代表的なテーブル例(3パターン)

現場で活用できるテーブル例を挙げてみます。以下の3つは、製造業で特に共通して使える構成で、どの業種にも適用できる“現場起点の仕組み”です。

① 工程進捗管理テーブル

製造指示や加工オーダーごとに、工程名・担当者・予定日・実績日・ステータスを記録するテーブルです。
各工程の進捗を可視化し、遅延や滞留を早期に把握できます。
さらに、ステータスを変更するだけで担当者へ通知が飛び、リアルタイムで全員が状況を共有できます。
「誰がどこまで進めているか」を見える化することで、報連相の抜け漏れを防ぎます。

② 不具合・改善報告テーブル

現場で発生した不良・異常・ヒヤリハットを登録し、原因・対応状況・写真などを記録します。
従来は紙の報告書やExcel台帳で行っていた記録が、ボタン操作だけで完了します。
承認ステータスを設けることで、品質担当や上長が確認・承認を行い、是正措置の進捗も管理できます。
報告の文化をデジタルに乗せる第一歩として最適です。

③ 設備点検・保全記録テーブル

設備の点検日、チェック項目、異常有無、対応内容、写真、次回点検日を一元管理。
Excelでは複雑になりがちな「点検漏れ防止」や「履歴追跡」が簡単に実現します。
点検結果をグラフ化すれば、保全計画の見直しにもつながります。
設備を持つ全ての製造業に共通する、定番テーブルのひとつです。

デモテーブル紹介:「工程進捗管理テーブル」

ここからは、実際に作成したデモテーブル「工程進捗管理テーブル」を使って、
具体的にどんな効果が得られるかを3つの視点で紹介します。

一覧画面:異常がある行がわかりやすく背景色が薄い赤に塗られている

 

編集画面:全体工程や工程ごとのステータス表示や詳細情報がわかりやすい

解決①:進捗のリアルタイム共有

ステータスを「未実施 → 実施中→ 完了」に切り替えるだけで、工程ごとの進行状況が色分け表示されます。

作業の遅れや滞留が一覧で把握でき、管理者は現場の状況を即座に確認可能。
更新時には担当者やリーダーに自動通知が飛び、報告を待たずに全体の流れを掴めます。
Excelのように手動更新が不要で、“リアルタイムの工程表”として機能します。

解決②:工程内での異常記録と対応履歴の一体化

加工や検査などの各工程には、それぞれ独立したステータス欄があります。
工程の担当者は、作業が完了した際に「加工ステータス」を更新します。
異常が発生した場合はステータスを「異常あり」に変更し、コメント欄に状況を記入します。

品質担当者や上長は、このレコードを開くだけで異常内容・対応履歴を確認でき、
是正完了後はステータスを「完了」に戻すことで作業記録が自動的に残ります。
1つの画面で工程進捗・不具合報告・対応記録をまとめて管理できるのが大きな特徴です。

解決③:通知と履歴によるチーム連携強化

担当者やステータスが変更されると、関連メンバーへ自動通知されます。

更新履歴からは「誰が」「いつ」「どんな変更をしたか」を確認でき、トレーサビリティも確保。
複数の工程をまたぐチーム作業でも、最新情報を共有しながら次の工程へとバトンを渡せます。
報連相が自動で回る仕組みが、現場のスピードを生み出します。

プリザンター導入のポイントと成功パターン

プリザンターを製造業の現場に導入する際は、次の3つのポイントを押さえるとスムーズです。

小さく始める

まずは1テーブル・1部門から。全社導入より「現場で使える」を優先します。

現場の言葉に合わせる

 「工程」「不具合」「検査結果」など、現場で使われている呼称をそのまま項目名に設定。それだけで受け入れられやすくなります。

紙→Excel→プリザンターのステップ移行

いきなり全デジタル化ではなく、既存のExcelを置き換える形で始めると、抵抗感が少なく、自然にデジタル運用が根付きます。

「まずはやってみる」ことが最大の成功要因です。
現場主導で運用を回しながら、改善を重ねていく文化が育ちます。

まとめ

これまでの3回で、

  1. 製造業の共通課題
  2. 情報の見える化の考え方
  3. 具体的なプリザンター活用方法

を順に紹介してきました。

難しいシステムを作る必要はありません。日常業務を“ちょっと便利にする仕組み”から始めることが、DXの第一歩です。

プリザンターは、その一歩を支えるための「現場で使えるデジタルノート」です。
ぜひ、自社の現場でも“Excelの次のステージ”として試してみてください。

弊社では、プリザンターの認定トレーナーとしてトレーニングを実施しています。プリザンターの基礎から応用まで幅広いラインナップを取り揃えていますので、プリザンター初心者はもちろんのこと、効率よくスキルアップしたい方にもオススメです!詳しくはこちらにありますので、気になった方はぜひご覧ください。

それでは、今回はこの辺で。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。