こんにちは。
リーデックス小川です。
2025年7月8日、オープンソースのローコード開発ツール「プリザンター (Pleasanter)」の最新版 ver.1.4.18.0 がリリースされました。
今回のアップデートでは、CSVインポート/エクスポート機能の強化やリンク表示の改善、スクリプト機能の拡張など、業務アプリ作成・管理をより便利にする数々の新機能が追加されています。
本記事では、この最新バージョンで追加された主な新機能・改善点の概要とメリットをご紹介します。ぜひバージョンアップの検討材料にしてください。
- CSVインポートでコメントの一括更新が可能に
- CSVエクスポートでコメントをJSON形式で出力
- リンク表示のレコード表示上限を指定可能に
- スクリプト機能に $p.groupIds を追加
- $DATEDIF 関数が時・分・秒の差分計算に対応
- CodeDefinerの時差変換で任意のオフセット指定
- インストール時に別サーバーのMySQLを指定可能に
- 第2世代インターフェースの日時入力を改善
- まとめ
CSVインポートでコメントの一括更新が可能に
まず、データインポート機能の改善です。CSVインポートで既存レコードを更新する際に、コメント欄も更新できるようになりました。
ver.1.4.18.0からは、CSVファイル内にJSON形式の文字列でコメント情報を含めておけば、洗い替え方式(既存のデータをすべて消去してから、新しいデータを全件分上書き登録する)で更新レコード更新時にその内容がコメント欄に反映されます。
[{""CreatedTime"": ""2025-07-01 12:30:00"",""Creator"": 10,""Body"": ""コメント""}]
これにより一括更新時でも重要なメモや変更履歴を逃さず記録できるため、データ更新後のトレースや情報共有がスムーズになります。
なお、文字列形式の場合は更新はされません。
JSONデータのレイアウトについては、マニュアルの「開発者向け機能:JSONデータレイアウト:コメント」をご覧ください。
CSVエクスポートでコメントをJSON形式で出力
エクスポート時にコメント欄の内容をJSON形式で出力できるようになりました。
プリザンターでは各レコードに対してコメント(履歴)を残せますが、今回のアップデートにより、コメントデータがJSON形式でエクスポートファイルに含めることができるようになります。
複数のコメント履歴や改行を含むメモ情報も構造化された形で取得できます。
例えばアンケート結果や問い合わせ履歴のようにコメント欄に蓄積された情報も、そのまま解析や他システムへの連携に活用しやすくなるでしょう。
JSON形式での出力は必要に応じてパース(解析)して利用できるため、エクスポート後のデータ活用の幅が広がる点がメリットです。
具体的には、「テーブルの管理」→「エクスポート」より新規作成(編集)するときに、「コメントをJSON形式でエクスポートする」にチェックを入れます。

リンク表示のレコード表示上限を指定可能に
リンク機能で関連レコードを表示する際の上限を、任意に指定できるようになりました。
プリザンターではテーブル間をリンクして親子関係のレコード一覧を編集画面上に表示できますが、関連レコード数が多い場合、全件を表示すると画面の表示遅延や操作性低下を招く恐れがありました。
今回のアップデートでは、このリンク表示の件数上限をサイト管理者が設定可能になっています。
例えば「最新の関連タスク上位100件のみ表示」といった制限を設けることで、画面の読み込みを軽快に保ちつつ必要な情報だけを表示できます。
大量の関連データを扱う業務でも、ユーザーにとって見やすく快適な画面を維持できるでしょう。
設定は、「テーブルの管理」→「リンク」より行います。

「表示件数」の設定可能範囲は既定では「0~100」です。この範囲はパラメータファイル「General.json」の"LinkPageSizeMin" 及び "LinkPageSizeMax" で変更することができます。
パラメータファイルについては、下記ブログ記事をご参照ください。
スクリプト機能に $p.groupIds を追加
開発者・管理者向けの改善点として、クライアントサイドのスクリプトでログインユーザーの所属グループID一覧を取得できる $p.groupIds 関数が追加されました。
これにより、ログインユーザが所属するグループのIDリストがスクリプト内で簡単に取得できます。
たとえば、特定グループ所属者のみ向けにフォームの表示制御を行ったり、グループIDに基づいた処理分岐をスクリプトで記述したりといった対応が容易になります。
この関数の追加によってよりシンプルにグループベースのカスタマイズが可能になりました。
ローコード開発での細かな権限管理や動的なUI制御に役立つ機能強化と言えます。
$DATEDIF 関数が時・分・秒の差分計算に対応
日付計算用の $DATEDIF 関数が強化され、日時の差分を「時・分・秒」単位でも取得できるようになりました。
$DATEDIF 関数は、計算式(拡張)で使用することができます。詳しくは下記のブログ記事をご参照ください。
2つの日付の差を求める計算式ですが、これまでは主に日数や月数、年数といった比較的粗い単位での差分計算に留まっていました。
ver.1.4.18.0ではこの関数が拡張され、時間(Hour)、分(Minute)、秒(Second)の差分にも対応します。
たとえば、あるチケットの処理開始日時と終了日時の間隔を「〇時間△分」といった細かな単位で算出したり、経過時間を分秒単位で表示したりといったことが標準の計算式だけで実現可能になります。
従来はスクリプトを用意する必要があった細かな時間差計算も、ノーコードで対応できるため、業務アプリ内での時間管理のチェックなどが一段と簡単になるでしょう。
CodeDefinerの時差変換で任意のオフセット指定
高度な管理機能として、CodeDefiner における時差変換機能に任意の時差を指定できるオプションが追加されました。
これにより、従来は固定だった時差設定を、ユーザーが任意のオフセット値で指定可能となりました。
たとえば、システム標準時とは異なるタイムゾーンで業務を行っている拠点向けに、+5時間や-3時間といった独自の時差補正を適用することができます。
複数のタイムゾーンにまたがるデータを扱う場合でも、任意の調整値を設定することで各拠点時間に合わせた日時処理や表示が可能になるため、グローバルなシステム運用などに柔軟に対処できるようになります。
具体的なコマンドは、下記のように 引数に/h オプションを付与して、加算する時間(マイナス値を指定すると減算)を指定します。
省略した場合は「-9」が使用されます。
dotnet Implem.CodeDefiner.dll ConvertTime /h 10
インストール時に別サーバーのMySQLを指定可能に
プリザンターのインストール時に、別サーバー上の MySQL データベースを接続先として指定できる機能が追加されました。
これまではインストール時に同一サーバー上のデータベースを利用するケースが一般的でしたが、今回のアップデートによりデータベースをサーバー分離して構築することが容易になります。
たとえば、既に社内で運用している高性能なMySQLサーバーをプリザンター用に共用したり、DBサーバーとアプリケーションサーバーを分離することでパフォーマンス向上や可用性確保を図ったりすることが可能です。
インストーラのセットアップ画面で外部MySQLのホスト情報を指定するだけで接続できるため、システム管理者にとってインフラ構成の選択肢が広がり、既存環境へのプリザンター導入もより柔軟になるでしょう。
詳細は、マニュアルの設定をご覧ください。
第2世代インターフェースの日時入力を改善
プリザンターにはUIデザインを刷新した「第2世代インターフェース」が提供されていますが、この新インターフェースにおける日付・日時入力項目の内部ライブラリが変更されました。
日付選択カレンダーや日時入力のコンポーネントがアップデートされた形で、動作の安定性や互換性が向上しています。
旧UIは、マウスのスクロールホイールで時間を選択する際に動作が分かりづらく、混乱を招いていました。
今回のライブラリ変更により、より直感的で信頼性の高い日時入力が可能となり、ユーザー体験の質が高まりました。

(左から、年月日、年月日(時分)、年月日(時分秒)
第2世代インターフェースをご利用中の方は、これらUIコンポーネントの改良による操作性向上をぜひ感じてみてください。
まとめ
今回は、2025年7月8日にリリースされたプリザンター ver.1.4.18.0 の新機能・アップデート内容についてまとめました。
コメント更新やエクスポート機能の強化、ユーザビリティと開発効率を高める各種改善が盛り込まれており、現場での業務アプリ活用をさらに後押ししてくれるアップデートになっています。
プリザンターは約1ヶ月に1度のペースでバージョンアップが行われ機能拡充が続いていますので、まだ最新版へアップデートされていない方はぜひこの機会に最新版への移行をご検討ください。
各機能の詳細については公式マニュアルにも掲載されていますので、より詳しく知りたい場合は該当のマニュアルページも参考にしてください。
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それでは、今回はこの辺で。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。